2021/11/17 09:14

今日も、僕の思う最高のパンが焼けています。
でも、それがお客様の手に渡らなければ、なんの意味も無いのかもしれません。
毎年夏に売上がガクンと落ち込むのはいつものことですが、例年と違い今年は冬が近づいてもお客様からの注文が戻ってきませんでした。
「パン屋は作る力より売る力が大切」と、ある名店のオーナーが話しておられたことを痛感します。
我が家はパン屋の売上だけで生活しています。
この場所と規模にこだわっているのは、子育てをしながら無理なく続けていける道を模索し続けた結果です。
11年目に入りましたが、ここまで続けてこれたこと自体、奇跡的なことなのかもしれません。
お客様に甘えてばかりの11年間だったように思います。
コロナ自粛期間を乗り越えることができたのも、お客様のおかげです。
血となり肉となる食べ物を作り販売するという生業を突き詰めると、やはりいい加減なものは作れないと思ってきました。
その思いが強すぎたのかもしれません。
こどもたちのため、家族のために収入を得なければ生活ができませんから、そこを第一に考えれば、他の道もあったのではないかと自問自答しない日はありません。

薪窯だけは是が非でも残さなければなりません。これはクラウドファンディングで多くの方からご支援いただき作ったものです。なので、収入の柱を外に求め、パン屋の稼働日を大幅に減らすことを検討しています。定期便などで定期的に買ってくださるお客様にはこれまで通り届けられるよう、考えていきたいと思います。

決断がいつになるかまだ分かりませんが、急な公表で困惑させてしまわぬよう、今の考え、思いを綴らせていただきました。