2021/04/08 10:49

東北の山がソーラーパネルで埋め尽くされる?
ソーラーパネル設置のために環境が破壊されている?
というような記事を読んだ。

東日本大震災から、エネルギーのことを考えるようになった。
電力自由化で、再生可能エネルギー使用!を謳った会社も増えたが、中にはそれはどうなの?と思うような会社も散見される。
改めて、自分たちが使っているエネルギーがどこから来ているのか、再考する時ではないかと思う。

薪窯にしたのは、そういった想いもあった。
しかし原発事故の影響で、場所によっては薪から放射性物質が検出されるという現実があった。
薪に含まれる放射性物質は、灰に凝縮される。
当初使っていた薪の灰と焼いたパンを測定してもらったら、灰からは600~800ベクレルほどの放射性物質が検出された。パンからは検出されなかった。
この現実とどう向き合うか、ひたすら悩んだ。
とりあえずお客様には即日結果を報告した。捉え方は人それぞれ。
中には私自身の全てを全否定される方もおられた。妻に対して、「よく薪窯でやることを許しましたね。私なら離婚しています」と話したという。いわば絶縁を突きつけられた形。親しいお付き合いをしていた方だったので心底堪えた。
そんな中、放射性物質が検出されない薪が入手できると、こども園の園長からご紹介をいただいた。山形県朝日連峰産の薪。検査結果も添えていただき、今はこちらの薪を使用している。

そもそも、パンからは検出されなかったので、高価な山形産の薪を使うことに考えすぎではないかという声もあるし、いやいやそれでも怖いから薪窯のパンは食べないという方もおられる。考え方は千差万別。否定も肯定もしない。(個人的には灰の処理には注意が必要だと思う。うちは自宅兼店舗なので、今後も山形産の薪を使わせていただくつもり)

しかし考えることは止めてはならないと思う。コロナに関しても同様。学校は休校にすべきか。こどもの健やかな成長のために感染防止対策を徹底し再開すべきか。異なる意見の相手を否定するだけでなく、議論していくことこそ大人に求められることだと思う。